PEOPLE’S VOICE #002
ミュージシャンを目指して一度は東京へ
今は父の仕事を継いでトマト栽培
田辺 良太さん

東京から白子町へ戻ったきっかけは何だったんでしょう
22歳の時に音楽活動をしたくて、家出をして東京へ行きました。バンド活動をやりながら、スタジオでバイトしていたんですけど、店長になったとたん仕事が忙しくなり自分のバンド活動がなかなかできなくなったんです。俺何やっているんだろう…と思い始めた頃、その会社も組織が変わることになり、バンドやっていても売れないし、そろそろ東京に見切りつけようかな、と思って…。親父に「家を継がせてください」と頭を下げて、白子町に戻ってきたんですね
バンド活動から初めての農業。苦労したことなどありませんでしたか
実家はじいちゃんが脱サラして作ったハウスで、トマトの栽培をしていたんです。子どものころ手伝ったことはあったんですが、本格的にやったのは初めて。もともとこの仕事がしたくて戻ってきたわけではなかったけれど、やるからにはちゃんと勉強しよう!と、ほかのハウスを視察させてもらったり、トマト栽培の技術を独学で学びました。
日本では長年の経験や勘で気温や温度の管理をしているところが多いのですが、オランダでは光環境や気温、湿度、炭酸ガス濃度などすべての環境をコンピュータで管理しているんです。そうすることでハウス栽培でも収穫量がかなり上がることを知り、独学でコンピュータを使って環境制御を始めたところ、一年目でかなり収穫量が増えた。勉強すればしたなりに結果が出せることがわかり、すごく嬉しかった。今は全力で楽しく仕事していますよ。
環境制御という技術。コンピュータで管理しています。パソコンでデータを受け取り、制御盤のタッチパネルで操作。今や農業もハイテクノロジーの時代!?
地元での生活をどのように楽しんでいますか
東京にいたころより、近所の人や同業者との触れ合いも増えましたね。今でもDJやバンド活動をしているので、近隣のイベントにはたまに声をかけていただけます。東京を離れる時にはもう二度とバンドなんかできないだろうなと思っていたんですが、こっちでも意外と音楽をやっている人がたくさんいて、東京にいた頃よりむしろ今のほうが音楽仲間は多いかもしれないですね。昨年結婚し、来月結婚式するんです。今は仕事もプライベートも充実し、ますますこれからだな!とワクワクしています。

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